休みに見に行ったんだが、来てるのはちょうど同じ年齢ぐらいの人たちばかり。ざっくり3分の1がティム・バートンファン、3分の2が昔原作の絵本を読んだクチじゃないだろうか。

 で、館内に子供がいない(笑)。観客の皆さん、よく分かっていらっしゃる。こんな映画、子供に見せたら気持ち悪がって卒倒するよ。小学生ぐらいになって絵本を読ませて、これがフィクションだって分かるようになってからしか連れてっちゃダメだろ。

 しかしそれにしても見事なまでに絵本の原作に忠実だ。絵本の内容を覚えている僕としては、あんなもん絶対映画化できんだろとか思っていたが、最先端のCG、アニマトロニクス、特撮技術を持ってすれば不可能はなかった。凄すぎる。

 しかも、ティム・バートンならではの演出がまた心憎いほどにうまい。オマージュ、パロディがてんこ盛り。ジョニー・デップ演じる魔法のチョコレート工場の主、ウィリー・ウォンカがマイケル・ジャクソンそっくりなのはまさにそれ。ウンパ・ルンパの顔が全部同じなのも凄い衝撃(笑)。いやーもう、やってくれます。

 Amazonの批評を読むと、なんかしきりに教訓話を読みとりたがってる人とかもいるようだが、そんなんどうでもいいよ。この作品の面白さは、年端もいかないガキには絶対に見せられないようなぞっとするブラックジョークがこれでもかと繰り返されるところなのだ。ブラックジョークに道徳的教訓なんか読み取ろうとしないでくれって感じ。

 個人的には、一番最後のシーンが一番良かった。傾きかけのボロ家に降りしきる雪の正体を見て、唖然。あのエンディングは原作にはなかった。でもティム・バートンの創作によって、ブラックで恐ろしげなあの物語にすごく温かみが加わった気がする。

 チャーリー役の演技も素晴らしかったな。「子供らしい素直さ」というのはああいうことを言うのだろうが、さて実際あんな子供がどこにいるか。子供論を議論し始めるときりがなくなるのでこのあたりでやめておこうと思うが、エキセントリックな他の4人の子供とチャーリー、そして最も“子供”なウィリー・ウォンカの対比も、いろいろと考えさせる。いずれにせよ、秀逸な映画だと思う。

DVD 監督ティム・バートン、主演ジョニー・デップの4度目の顔合わせは、ロアルド・ダール原作の人気ファンタジーの映画化。ウォンカ氏が経営する巨大なチョコレート工場に、5人の子どもたちが招待され、驚くべき体験をする。5人のなかで、唯一、貧しい一家の少年チャーリーで、天才子役のフレディー・ハイモアが名演技を披露している。ほぼ原…

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