ISBN:4492501312 単行本 堀江 貴文 東洋経済新報社 2004/11/26 ¥1,365

 「世の中にカネで買えないものなんてあるわけないじゃないですか」とか、保守穏健派の良心を思いっきり逆撫でする数々の暴言で財界長老どもに毛嫌いされているライブドアの堀江社長なわけですが、まあそう言って彼を批判する奴らはまずこの本読んで、この程度のレベルのことが自分の会社でできてるのかどうか胸に手を当てて考えてみろと。

 1日5000通のメールを読むとか、そんなことは正直どうでもいいと思う。この本の前半に書かれているのは、知的付加価値を生み出すことを生業とするワーカーに、いかにその才能を存分に発揮させるかという新世代のマネジメントの基礎だ。これこそ「ホワイトカラーのためのトヨタ生産方式」と言ってもいい。

 ライブドアの社員1人1人が毎日書く日報メールが、仕事の進捗確認、アイデア創出、モチベーションアップ、社員同士のクチコミ昼食情報にまで活用されている。それだけではない。メールの内容はプロジェクトや業務内容ごとに分類されてSAP/R3にインポートされ、全社レベルでのプロジェクト、事業などの活動基準原価計算(ABC)にまで活用されているのだ。

 大切なことは、こうしたメールをベースにした業務管理システムが、決して「仕事をさぼらないよう管理するために使われているのではない」という点だ。むしろ社員の声を率直に受け止めるために、日報のちょっとした一言を基点にして社長と社員の直接の議論が巻き起こったり、社内メルマガが創刊されたりする。性善説に基づいた管理、それがホワイトカラーに最大の知的出力を継続させるためのカギである。

 人間は毎日報告を書けと言われたら、「今日は何もやりませんでした」とは決して書かないものだ。そして、やりもしないことをやったと書く人間も、ごくわずかしかいない。ホワイトカラーに日報さえ書かせない会社が大企業でも無数にあるが、そういう会社のお偉いさんは経営とかマネジメントについて偉そうなことを言う前に、まずこの本を読むべきであると僕は思う。

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